AGIの自己改良の限界とASIへの条件

AGIの自己改良の限界

シンギュラリティ思想ではAGIは無限に自己改良します。
実際には、さまざまな制約があると考えられます。

改良方法による改良の制限を表にまとめました。

改良案の生成改良案の評価改良可能な性能改良の速度
効率精度汎用性
AGIAGI×無制限
AGI人間人間が制限
人間AGI
AGIが自己改良可能な性能

AGIの性能      
・効率: 時間とコストのパフォーマンス
・精度: 効率を無視した場合の結果の良さの限界
・汎用性: 対応できる問題の範囲の広さ

精度だけは、AGIのみによる自己改良ができません。
人が介入すれば改良できますが改良速度が制限されます。

AGIの自己改良の過程

0.人間が最も良いと評価するAGIを、親AGIに指定
1.親AGIは自己のコードを複製し改変した子AGIを生成
2.親AGIは、親AGIと子AGIを評価
 子の方が優れていれば、その子を親に指定
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精度の自己改良ができないのはステップ2が原因です。
常に親AGIが子AGIより優れていると評価してしまいます。

精度の限界というのは、無限に計算能力があれば、こういった出力を目指せと、人間が指定した目標です。
目標を改変してしまうと本来の目標に向かいません。
そのため、目標の改変されていない親AGI自身が、精度が最も優れていると評価します。

AGIの自己改良可能で究極のASIに達するための条件

精度以外の効率や汎用性は自己改良ができます。

自己改良で究極のASIに達するためには条件があります。

(1) 知能の評価基準が、知能の定義との合致であること
人間との近さを評価基準にしてしまうと、人間同等に達した後は、どこを目指せばよいのか分かりません。

(2) あらゆるコードを生成できる可能性があること
効率を無視すれば、ランダム生成でも構いません。
似たようなコードしか生成できなくなると、局所解に留まってしまいます。

(3) 効率、精度、汎用性を評価できること
これができないと自己改良が始まりません。

親AGIは子AGIが(1)(2)(3)を維持した上で性能が向上したと評価すれば、子を親にして繰り返します。

効率と汎用性はトレードオフになります。
どちらを優先するかは、人間が指示します。
ハードで補えない汎用性を重視するべきでしょう。

自己改良の開始には、効率の良いハードウェアも、効率の良いアルゴリズムも必要ありません。
効率が改善すれば改良速度も改善して加速します。
ただし、改良の余地が減れば減速原則します。

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