AIと著作権

著作権侵害の要件

国によって著作権は異なりますが、おおよそ、以下の3つが、著作権侵害の要件になります。

①依存性があること
偶然に全く同じも著作物ができた場合、それぞれに著作権があります。
全く同じ著作物を他人が作ることを制限する権利はありません。

②類似性があること
他人の著作物を真似ようとしたとしても、結果的に全く似ていなければ、真似たことになりません。

③著作物であること
国によって異なりますが、思想や感情を創作的に表現したものなどが著作物になります。

データベースは著作物になりません。
例えば、様々な企業の株価の時系列データは著作物ではありません。
誰が調査しても同じ内容のものが出来上がってしまいます。
著作権は、自力で調査する労力を保護するものではありません。

人間の写真は著作物ではありません。
人間の顔は、遺伝子により自然に決まったもので、誰かに似せようとしたものではありません。
全く同じ顔写真をネットに載せても、有名でない人が有名な人の権利を侵害したことになりません。

写真については、構図のみは著作物として認められる場合もあります。
直作物を撮影したり、改変や一部分を切り取ったものは、著作権が発生する場合があります。
しかし、元の著作物の著作権がなくなるわけではなく、両者が著作権を持ったものになります。

Google AI Overview

GoogleのAI Overviewは、他人の著作物の要約を表示します。
元の著作物に付いていた広告は削除し、Googleの利益になる広告を付加して表示します。
他人の著作物の広告を差し替えていることになります。
要約は元の著作物に依存しているため、承諾を得ていなければ著作権侵害になります。
要約は、内容としては同じため、類似性は必ず満たします。

Googleが本気を出せばChromeで表示するWebページの広告を全て差し替えることも可能です。
ただし、依存関係が明確だと著作権侵害で訴えられるので、証拠を突き付けられないレベルに留めるでしょう。
人間が、盗作と指摘されないレベルで他人の作品を参考にするのと全く同じことです。

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