意識の機能

意識の機能

意識はワークスペースに例えられます。
AIに意識と同様の機能を持たせようとするなら、「ワーク」とは何なのかを明らかにする必要があります。

意識の機能は、大きくは2つです。
・情報の保持
・情報の利用

情報の保持

意識のワークスペースとして黒板をイメージします。
黒板の最大の利点は、情報をメモしておけることです。
メモする理由は、後で利用するかもしれないからです。
ワーキングメモリとして機能します。

脳内では、情報は2通りの方法で保持されます。
①神経ネットワークのシナプス結合状態
②ある瞬間に、どの神経(群)が発火しているか

①は、繰り返すことで学習する記憶の情報です。

②は、瞬時に状態変化することができます。
神経にループする回路があれば、それらの神経は発火を維持し続けられます。
脳が定常状態のとき、意識も定常状態です。
意識の状態は、神経(群)の発火状態と考えられます。

情報の利用

知能が行う必要あることは、推論と、推論結果を良くするための学習だけです。
また、推論に付随して前処理なども必要にもなります。
必要なら、意識上の情報に対し、任意の演算を行います。
演繹、帰納や論理的な情報処理も、任意で可能です。

意識を客観的に見て考えてみます。
次の瞬間の意識の状態は、①現在のネットワークの状態と②神経の発火状態で決まります。
意識上の情報に何らかの演算された結果が、次の瞬間の意識の状態になります。

主観的な意識の例を考えてみます。
行動を決定しようとしているとします。
自己の現在の状態が意識上にあります。
過去のある状態のときの行動と結果を想起します。
過去のある状態と現在の状態を同等と仮定します。
過去の状態に現在の状態を代入して結果を求めます。
これらを繰り返して、良い行動を選定します。

画像生成AIの例を考えてみます。
とりあえず良さそうな絵を意識にロードします。
意識上で、部分的な置換や、変形を繰り替えします。
自己評価で良いものができれば出力します。
置換や変形に制限がなければ、いくらでも高評価を目指せます。

意識のワーキングメモリ

パソコンのメモリは、任意のアドレスから、任意の大きさで、任意の情報用に利用できます。
人間の意識にはそこまでの柔軟性はないと思われます。

まず、現在の感覚神経からの入力に起因する情報を、そのまま保持するためのメモリがあります。
例えば、生の映像の情報だけでなく、それが何かと認識した結果も保持されます。
このメモリは、現実の情報を保持します。

仮想の情報を保持するために、現実の情報用と全く同じサイズのメモリがをもう一つ必要です。
想像している内容は、仮想用のメモリに保持します。

現実と仮想の情報を、時間的に切り替えて、同じメモリを使用しているとは考えられません。
現実と仮想を比較できるということは、ある瞬間に、2つの情報が同時に存在する必要があります。

何かを予測した結果は、仮想用メモリに入ります。
現実用と仮想用メモリが比較されることで、予測通りになったか確認します。

人間の意識の仮想用メモリは1つだけです。
同じ座標に、同時刻に、異なる複数の映像を想像できません。
半透明にして複数の画像を混合した画像が想像できるだけです。
レイヤーが一つしかないので、あらかじめレイヤー統合した画像しか想像できません、
時間または座標を変えることで、複数の情報を扱います。

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