グローバルワークスペース理論(GWT)

グローバルワークスペース理論(GWT)

一言で言えば、さまざまな情報がワークスペースに集まっているのが意識だという理論です。
一般的な意味での意識のイメージと良く合っています。

前頭葉に様々な情報が集まっている考えられています。
しかし、ワークスペースの明確な定義はありません。
例えば、前頭葉以外でも、ワークスペースとなるような神経回路があれば、そこには意識があるといえます。
狭い範囲の僅かな神経細胞による意識も否定されません。
簡単な電子回路が意識を持つことも否定されません。

前頭葉と同じ神経回路のみをワークスペースとして認めると定義することもできます。
そのような定義は意識の解明には全く役に立ちません。
意識とは前頭葉の機能だと定義しても、その前頭葉の機能が解明されなければ、意識の解明にはなりません。

GWTとAGIの研究

GWTの研究から、AGIに持たせるべきだといえる性質は、一つだけです。


より多くの情報が集まる場所がある方が良い

しかし、本当に重要なのは、ワークスペースで行われているワークとは何かです。

情報が集まる場所という意味では、パソコンのメモリはワークスペースです。
知能に必要な情報処理をするのにあたって、そもそも情報にアクセスできなければ何もできません。
そのためにワークスペースが必要です。
AIにもメモリが必要不可欠です。
でも、重要なのはプログラムです。

GWTの研究は、脳のどこで意識が起こっているのかを解明する目的があります。
しかし、AGIの研究では、意識の機能が欲しいだけで、それが脳のどこだろうと関係ありません。

脳の研究では、脳の機能を明らかにするのが目的なので、その機能を定義することはありません。
脳は自然現象です。
自然現象は定義するものではなく、観察して法則を見つけるのが自然科学です。

一方で、プログラミングで何かを作るなら、まずは作りたいものを定めるべきです。
とりあえず似たものを作るのを目的として、とりあえず作ってみるという方針では、良いものはできません。
脳や意識はあくまで参考にして、本当に欲しい機能を定めないとAGIを作るのは困難です。

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