帰納推論の方法
帰納推論の方法は、一つではありません。
特殊帰納法が使える状況でも、一般帰納法を使うことができます。
使わなければいけない方法は、決まっていません。
可能な方法を全て試して、結果が良い方を採用します。
選択肢をより絞り込めた方法を採用します。
使用可能は方法は、明らかにされている一般帰納法と特殊帰納法だけではありません。
場合によっては、帰納の公理を直接使って推論します。
特に、一般帰納法は値のばらつきを見るため、データが少ない場合は苦手です。
帰納の公理を使った帰納推論
帰納の公理があることで、帰納推論の最適解は客観的に定まります。
これは、問題として与えれた情報の中に、答えの情報が含まれていることを意味します。
つまり、帰納問題であっても、演繹問題と同様に、論理的に答えを導くことができます。
人間が行う思考には、速いものと、遅いものがあります。
速い思考は、直感的です。
学習済みの大量のデータから、統計的に良さそうな結果が想起されます。
遅い思考は、意識上で論理的に考えます。
論理的な操作をする対象は、意識上にある限られた情報です。
遅い思考の例を考えます。
ある動物が、過去に一度だけ狩りに成功しました。
次の狩りのときには、さまざまな条件をできるだけ成功例に合わせようとします。
どの条件が重要なのか分かりませんが、どんな情報でも成功例と近い方が良いと推測します。
例えば、獲物へ近づく方角を合わせます。
天気も、似た日を選びます。
成功例と同じ側の足から踏み切ります。
この推論は、順帰納の公理で行われます。
順帰納の公理:写像の近さが不明なとき、元が近いほど写像が近いと推測
元は、1回の狩りの試行です。
写像が、狩りの成功・失敗です。
何が近ければ元が近いと言えるのか不明確です。
それでも、どんな特徴でも近い方が良いと推測します。
この例では、自然に体は動きません。
1件だけの成功例では、体に染みついていません。
直感ではなく、考えて成功例に似せています。
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