集合決定の過程
一般帰納法では、任意の条件で集合に分けます。
集合の決め方は順過程と逆過程の2つがあります。
精度 | 事前学習 | |
集合決定の順過程 | ○ | △ |
集合決定の逆過程 | △ | ○ |
精度と事前学習にメリット・デメリットがあります。
推論の初期では、事前学習が可能な逆過程が効率的です。
精度を限界まで高めるには、順過程に切り替えます。
集合決定の順過程
推論対象と近いものと遠いものの2集合に分けます。
推論対象の元は、100%前者に帰属します。
他の元は、0~100%ファジィに帰属します。
推論対象が100%前者に帰属するように、集合分けの条件を決めます。
例)写真の動物の名前を判別
耳や鼻の特徴が、推論対象と一致するものとしないものに分けます。
一致する集合の内訳は、猫90%、犬10%
一致しない集合の内訳は、猫10%、犬90%
前者の元の名前の比率が推測値です。
集合決定の逆過程
推論対象以外の元は、自由に集合分けします。
3つ以上の集合に分けることもできます。
次に、推論対象が満たす条件を任意に決めます。
その条件を満たす、推論対象以外の元が各集合へ帰属する比率を調べます。
推論対象も同じ比率で各集合へ帰属させます。
例)写真の動物の名前を判別
推測対象以外は、猫と犬の2つの集合に分けます。
推測対象以外で、推測対象と耳や鼻の特徴が一致するものの比率
猫のみの集合:90%
犬のみの集合:10%
推測対象も、この比率だと推測します。
集合の分け方は、目的に応じて都合よく決めます。
例えば、犬種まで知りたいのなら、犬種で分けます。
細かく分けるほど標本数が減り、精度が落ちます。
犬種まで必要なければ、一つの集合にします。
後からより細かく知りたくなった場合は、段階的に集合を細分化してやり直します。
例)前景(or背景)→生物(or 非生物)→犬→柴犬→ポチ
集合決定の過程と学習
学習とは推論でより良い回答を出せる状態への変化です。
集合決定の順過程では、似た状況でどういった集合分けが効果的だったか分かる状態にしておきます。
逆過程でも同様です。
順過程では、推測対象ごとに集合の分け方が異なります。
逆過程では、集合の分け方を使いまわすことができます。
事前に、犬と猫を分け、さらに犬種で分けておきます。
それらを上手く区別できる条件も記憶しておきます。
また、通常、何を元にするかという制約はありません。
元について出題者が指定するとは限りません。
より良い元の決め方について考える必要があります。
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