帰納推論における統計的偶然性
AIではなく人間でも判断が難しい例を挙げます。
例)
・ある新薬は優位水準99%で効果があると分かりました。
危険率は1%です。
つまり、100回に1回は誤っている可能性があります。
効果があるというのに十分な証拠だと思えます。
しかし、次の情報が伝えられたらどうでしょうか?
・ランダムに生成した100種類の物質の薬効を調べました
効果のない薬でも、100回に1回は、誤って99%効果があると判断されます。
ただの偶然かもしれません。
99%薬効があると判断するには抵抗があります。
この場合の帰納推論の最適解は、どうなるでしょうか?
以下のことはいえます。
・選ばれなかった残りの99個よりは良い
・優位水準99%より低いものよりは良い
・100より多くの中から選ばれた場合よりは良い
何%効果があるとはいえません。
帰納推論は、確率を求めるものではありません。
選択肢の良し悪しに順位を付けるものです。
確率が計算できなくても、可能な限り順位を付けます。
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