マインドアップローディング
マインドアップローディングとは、人間の精神をコンピュータ上の情報に移動させようという試みです。
脳をスキャンして、コンピュータでシミュレートします。
そのままでは、自分が二人になってしまいます。
物理的な脳を破壊すれば、一人になります。
これでは、コンピュータ上に移動したのではなく、自分は死んで、模造品が残っただけです。
そこで、少しずつ置き換えた場合を考えます。
(1)神経細胞の一つを半導体に置きかえる
(1)を行っても、何も変化を感じないでしょう。
これを繰り返せば、何の変化も感じることなく、アップロードが完了します。
ここで、砂山のパラドックスを考えてみましょう。
(1)砂山から1粒を取り除いても砂山である
これを繰り返せば、1粒もなくなっても、砂山と言えてしまい矛盾します。
同様に、マインドアップロードすると、気が付かないだけで徐々に死んでいくだけです。
人間の複製
人間の完全な物理的複製を作った場合、複製された人間の精神はどうなるのか考えます。
物理的には全く同じで区別できません。
それでも、複製前の人間から見れば、2人になった後も連続して、自分は複製前からあった方だと思うでしょう。
では、複製前後の二人の原子に番号を振り、奇数の原子だけ入れ替えた場合はどうでしょうか?
複製前の人間の精神は、どちらか一方にランダムに宿るのでしょうか?
2人は同じ状態にあると考えられるので、精神も両方に半分ずつと考えるのが自然です。
そもそも、同じ時刻に自分は同時に2か所に存在しないというのは、先入観です。
例えば、タイムマシンを使って、同じ時刻に存在する自分は、どちらも本物です。
量子力学では、状態の同じ原子は区別がなく、入れ替えても入れ替えなくても同じです。
つまり、完全な物理的複製を作れば、原子を入れ替える必要なく、同じ人間の精神が二か所に同時に存在します。
死者蘇生
完全な物理的複製を作れば、自分は同時に2か所の存在すると考えられます。
次に、完全な複製とは何かを考えてみましょう。
人間の脳以外を捨ててから複製することもできます。
したがって、脳だけでも完全に複製すれば十分です。
次に、物質と反物質を逆にして、宇宙のすべてを複製した場合を考えます。
2つの世界は情報的には全く同じなので、脳も全く同じように動きます。
つまり、脳の情報さえ完全に複製されていれば、情報の媒体は問いません。
次に、フィクションで心と体が入れ替わった場合を考えてみます。
神経細胞は入れ替わっていないけど、神経回路が変化したと考えます。
神経細胞に精神や意識が宿っているなら、それは入れ替わっていないはずです。
第三者から見れば、精神や意識が入れ替わったかは分かりません。
ただ、二人の記憶が入れ替わったように見えます。
心が入れ替わったといっても、実際に入れ替わったのは記憶だけです。
つまり、精神の個人を区別するのは脳に記憶された情報です。
より正確には、個人の精神とは記憶情報です。
脳の完全な複製を作るとき、情報さえ同じなら神経回路は全く同じである必要ありません。
コンピュータ上であっても、情報が完全なら、完全な複製なので、精神が宿ります。
さらには、情報の複製は完璧である必要はありません。
貴方が事故で脳に物理的ダメージを受けた場合を考えます。
欠落した記憶情報があっても、別人になったわけではありません。
ダメージを受けずに残った部分的には、元の貴方のままです。
コンピュータ上で、不完全な形でマインドアップロードされた場合も同様です。
部分的には複製できており、部分的には貴方の精神が宿ります。
死んだ人間をアップロードした場合も同様です。
再現が不完全でも、部分的には死者の精神が宿っています。
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