リンダ問題(合接の誤謬)

リンダ問題(合接の誤謬)

確率と選択肢に関係するパラドックスです。

リンダは31歳の独身女性。非常に知的で、はっきりものを言う。大学時代は哲学を専攻しており、学生の頃は社会主義と差別問題に関する活動に深く関わり、核兵器反対のデモにも参加したことがある。

・どちらの可能性がより高いか?

①リンダは銀行窓口係である。
②リンダは銀行窓口係で、フェミニスト運動に参加している。

何故か、②の方が確率が高いと感じる人が多いです。
②なら①も満たすので、①の確率の方が高くなります。

代表性ヒューリスティックで説明できるという人がいます。
代表的な例ほど、ありえそうと感じるというものです。

その影響はゼロではありませんが、見当違いです。

これは推測する問題です。
①②③どれが優れた推論でしょうか?

①「リンダは銀行窓口係である。」
②「リンダは銀行窓口係である。」かつ「フェミニスト運動に参加している。」
③「リンダは人間である」

③が正解する確率が最も高いですが、何の推論にもなっていません。
③は優れた推論ではありません。
①と②では、②の方がより詳細に推論しています。
②の方が優れた推論と感じます。

①②は、それぞれ別人が推論した結果と考えます。
②を推論した人の方が、詳細な推測結果なので、詳細にデータ分析したと感じます。
より詳細にデータ分析した人の推論結果の方が、正しそうだと感じます。

②の方が確率が高いと感じるのは、優れた推論結果ほど、当たる確率が高いだろう感じるからです。
より詳細に推測されているほど、優れていると感じます。

AIはリンダ問題(合接の誤謬)をどう回避する?

正解する確率が高いほど良い回答ではありません。
4択問題で、「4つのうちどれか」と答えれば、100%正解ですが、良い回答ではありません。

推論は選択肢を絞り込むのが目的です。
合理的に絞り込まれた選択肢が少ないほど、良い推論結果です。

ただし、絞り込むほど、精度(確率)が下がります。
トレードオフの関係にあります。

最もバランスが良いところまで絞り込むというのは、正しい戦略ではありません。

どこまで絞り込むかは、何が知りたいのかに応じて決めます。

リンダが人間かどうかだけが問題なら、「リンダは人間です」と推論します。

職業まで知りたいなら、精度(確率)が落ちても、職業まで推論します。

推論結果は最良と思う1つだけを保持するのではばく、複数保持しておけば、様々な問いに対応できます。

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