グルーのパラドックス

グルーのパラドックス

【グルーのパラドックス】
帰納に関係するパラドックスです。

グルーという色の定義:2049年までは緑、2050年からは青

ある鉱石を2049年以前に何度も観察して、グルーという確証を得た。

2050年以降にその鉱石がグルー(青色)だといえるのはおかしい?

ただの緑色かもしれません。

過去の哲学者は、斉一性の原理について議論しました。
自然の斉一性の原理:すでに観察したものはまだ観察していないものと似ている

斉一性があるから帰納推論が可能だと考えています。
ある年から変色するのは、一見、斉一性に反します。
そのため、うまく帰納推論ができないと考えます。
しかし、逆に、変色する方が自然なのかもしれません。
帰納推論そのものの有効性が疑問視されます。

実は、上の議論は、全く見当違いです。
本質的な答えは、下記で説明します。

AIはグルーのパラドックスをどう回避する?

グルーのパラドックスで行われたような推論を禁止するのが、論理和不確証の公理です。

論理和不確証の公理:「A→C」の観測で、「A or B →C」の確証は増さない

例1:「AボタンまたはBボタンを押すとランプCが点灯する」

Aボタンだけを何度も押してランプC点灯を確認しても、BボタンでランプCが点灯する確からしさは増しません。

グルーの例でも同じ状況です。

A:ある鉱石は、2049年以前は緑色
B:ある鉱石は、2050円以降は青色
C:ある鉱石は、グルー「A or B→C」

「A→C」を確認しても、「A or B→C」とも「B→C」ともいえません。

命題が正しいかどうかの議論なら、論理和になっている命題は、個別の命題に分けて検証する必要があります。

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