問題の定義と構成要素
以下の構成要素を持つものを問題(質問)と定義します。
(1)使用可能な情報
出題者が回答者へ与える情報でだけではありません。
回答者が自らが知っている情報についても、使用可能か指示します。
(2)使用可能な公理
公理から証明できる定理についても同様です。
(3)使用可能な回答選択肢の集合
回答選択肢は、複数の値の集合でも構いません。
複数の値を回答する問題は、集合を1つ回答する問題と考えます。
(4)回答選択肢の良否基準
任意の2つの回答選択肢について、優劣または同等といえる必要があります。
任意の1つの回答選択肢について、良さを数値で表すことは必須ではありません。
問題の分類
問題は演繹問題と帰納問題に分類できます。
(1)演繹問題
使用可能な情報の中に、答えが含まれている問題です。
帰納推論なしで、演繹のみで最適解が求められます。
現代の数学で客観的に最適解が定まります。
(2)帰納問題
使用可能な情報の中に、答えが含まれていない問題です。
帰納推論が必要な問題です。
統計的な推論ができますが、仮定する条件で差が出ます。
現代の数学では客観的に最適解が定まりません。
必要な、帰納についての公理がないためです。
出題者が使用可能な公理として、それを指定した場合、客観的に最適解が求まります。
その場合、指定された通りの計算結果を求めるだけです。
演繹で答えが出ますが、区別のため帰納問題とします。
単帰納問題への分解
演繹問題は論理の定理等で、分解することができます。
帰納問題もまた、分解することができます。
未知の2つの数値の帰納推論が必要な問題は、1つの数値を帰納推論する問題に分けて考えます。
1つの数値を帰納推論する問題を次のように定義します。
単帰納問題の定義:回答選択肢の良否基準が、ある1つの値との距離が小さいほど良いこと
単帰納問題は、それ以上分解できない帰納問題です。
全ての問題は、演繹問題と単帰納問題に分解できます。
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