特殊帰納法
順帰納の公理や逆帰納の公理が使える状況では、特殊帰納法といって一般帰納法より高精度の方法が使えます。
線形帰納法
順帰納の公理で、元が近いほど写像も近いと推測します。
しかし、最も近い既存の元が最適解とは限りません。
複数の元の加重平均で、さらに近くなる場合があります。
例1)
y=f(x) は線形関数
推測対象: y=f(2)
データ:10=f(1), 50=f(5)
最適解:0.75f(1) + 0.25f(5) =20
引数の距離:|(0.751+0.255)-2| =0
引数の距離が0のときは、演繹になります。
例2)
y=(x,z)
xとzの両方を0にできれば、例1と同様です。
そうでなければ、引数の距離の求め方が既知であることが必要です。
例えば、x,zのユークリッド距離など。
元を推測する場合も、逆帰納の公理を使って同様です。
非線形帰納法
関数が線形だと限らない場合です。
| 推測対象の元 – 集合の平均 |
- 0.5 * Σ| 集合の元 – 集合の平均 | /n
を最小化する集合の期待値が最適解です。
1項目は、線形帰納法と同じです。
元の平均値(期待値)のズレです。
2項目は、ばらつきの大きさです。
線形帰納法の場合は、2項目の係数は0です。
線形なら、平均値さえ合っていれば合うからです。
2項目の係数は1を超えません。
ばらつきが、平均値の差よりも効くことはありません。
2項目の係数は、0~1の間のどこかに最適値があります。
関数の形の情報がなければ、最適値は分かりません。
ゆえに、中間の0.5を係数とします。
全ての関数の形の一様分布を仮定したと解釈できます。
順序帰納法
元の近さの順序の情報が与えられている場合の方法です。
最高順位の元が、推測対象と最も近い元です。
しかし、最高順位の元が最適解とは限りません。
高順位の元を平均した方が良い場合があります。
不明の公理により、推測対象もまた「不明」な元として含めます。
例1)1位の元だけ採用した場合
1位の元:50%
不明:50%
例2)1位と2位の元を採用した場合
1位と2位の元:2/3
不明:1/3
複数の元の採用した方が「不明」の比率が減ります。
採用数する元の個数:m
「不明」の比率:1/(m+1)
例1と例2を合成します。
双方から、より定まっている部分を採用します。
例1から、1位の元は、1/2
例2から、1位と2位の元で、2/3
よって、2位の元は3/2-1/2=1/6になります。
1位:1/2
2位:1/6
不明:1/3
n位まで採用する場合
n位の比率:1/(n^2+n)
不明の比率:1/(n+1)
採用する数を増やしても、上位の比率は変わらず、不明だった部分が置き換えられていきます。
どんなに順位が低くても、採用した方が良いです。
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